”暑さが続く8月下旬。福島第1原発のライブカメラに、防護服姿でカメラに向かって指をさす人物が現れた。男性は右手で上空を指し、ゆっくり回してから、カメラを指さした。それが何を意味するのか、彼が誰なのか、ネットでは憶測が飛び交った。
10日ほど後になって、本人を名乗る人物がネットに現れ、Webサイトでその意図を説明した。「観察するという方向に指さすという反対の方向を向けたい」「観ることと差別、差別と原発が切り離せない関係にあると考えた」という。
彼が指をさした先には、ライブ画面を見つめる人々がいた。その指先はモニター越しの“当事者感覚”を真っ直ぐに突いていた。彼は11月にサイトを更新し、こう書いた。
「東京電力や政府の記者会見を見てただ人格攻撃に勤しんだり溜飲を下げるために利用できてしまうのは、YouTubeを見ても自分が指さされたとは思わない距離感から来るんだと思います」”